このレビューはネタバレを含みます▼
前半の表題作は受け視点で二人の恋が成就するまで。
初めての本気の恋に戸惑いながらも健気にお互いを想いあう感じが甘々ですごくよかった。
後半の『プラチナリング』は伏線回収と攻めの双子の兄が登場して受けを狙う当て馬展開。
受けは当て馬の兄と趣味嗜好が合って攻めを置いてきぼりにして会話が弾んでいる描写が多いし、正直すごくお似合い。しかも攻め視点で進むから、攻めの焦りがよくわかってこっちもジリジリ。
受けの矢印がしっかり攻めに向いているので大丈夫なのはわかっていても、兄と二人きりになって濃密な空気醸しちゃったりと攻めへの配慮の足りなさ、軽率さに魅力半減。攻めもなんか詰めが甘いし、受けの言いなりだし、前半の甘々多幸感がすっかり醒めてきたところで攻めが物理で兄をぶっ飛ばし殴り合いになってよっしゃー!盛り上がってきたー!と思ったら『いい加減にしてください』という受けの一喝が。誰のせいだと思ってんの!と笑いながら声出して突っ込んでしまった。うーん、兄も嫌な奴だけど受けも好きになれない。
振られたとはいえ受けに完全に本気になっちゃった兄がこれからも未練たらしながらウロチョロするのが目に浮かんで、素直にハピエンを嚙み締められず読後感は今一つスッキリせず。
前半のあのテンションで二人の甘い生活と大人として成長していく攻めを見たかったな。