このレビューはネタバレを含みます▼
誰もが目を背けたくなる世界、でも確実に世界のどこかで起こっているであろう現実、タブー、それを真正面から突きつけている作品だと思う。正直なところ、グレッグが死ぬまでの巻はトラウマになりすぎて恐ろしくて読み返せない。でもそこがあるからジェルミの苦しみが皮膚からも心臓からも沁みてくる。人が崩壊していくプロセス。ジェルミの「ここまで堕ちてこれるか」と叫んだ言葉が未だに私の心臓に刺さっている。最後まで読んだのか、辛すぎて脱落したのか、それすらも覚えてないくらいの苦しさが途中にある。結局、作品を消化しきれていない私。いつか読み返さなければ、心に余裕があるときに、でも今は思い出すだけでも手が震える。そういう作品。名作です。