リスタートはただいまのあとで
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リスタートはただいまのあとで

ココミ

形や言葉にとらわれずに今を大切にすること

ネタバレ
2022年11月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校進学と同時に田舎を離れ、10年ぶりに帰郷した孤塚光臣は現在求職中です。就職活動が上手くいかない光臣を、光臣がいない間に近所の老人の養子となった同い年の熊井大和が和ませてくれます。ある時、大和が町に溶け込もうと言いたいことも飲み込んで頑張っていること、でも閉鎖的な田舎ではやっぱりよそ者であることを光臣は知ります。光臣もまた、家業の仏具屋を継ごうと父親に交渉するのですが、就職先が無いからかとけんもほろろに一蹴されるのでした。三男坊で都会から逃げるように帰って来た光臣と、施設育ちで帰る所の無い大和がお互いを拠り所として恋に落ちてゆきます。自分は望まれない存在だという思いを抱えながら必死に笑顔を作って来た大和が切なく、でもその持ち前のおおらかさに癒されます。『おなかをすかせて』付き合い始めて3年目、30歳を手前にした二人のその後と選んだ幸せの形が描かれます。
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