このレビューはネタバレを含みます▼
恥ずかしながら、このシリーズの存在を最近知りました…。
TVアニメの『フェイト・ゼロ』(※本作品の十年前の設定を描いた作品)があまりに面白かったので興味をもち購入して大正解!
一見幼くて可愛い絵柄とは裏腹に、テーマ性の深いストーリーに夢中になりました。
7人の魔術師達“マスター”が、英霊となった伝説の英雄達“サーヴァント”を魔術召喚し、「聖杯」をめぐって壮絶な死闘を繰り広げます。
神話に伝わる宝具や魔術を使った戦闘シーンは迫力があります。
戦闘だけでなく、登場人物達の心理描写や背景にあるドラマ、緻密に計算され張り巡らされた伏線は素晴らしくグイグイ引き込まれます。
意図せずマスターとなってしまった主人公・衛宮士郎。
命を奪い合う“聖杯戦争”に大きく疑問を抱き、未熟ながらも全力で阻止しようとします。
命の尊さを訴え、ブレる事なく正義を貫こうとする士郎の心の強さに感動します。
また、英雄達の華やかな伝説の裏に隠された、あまりにも悲しい物語が繊細で巧みに描かれています。
特に名もなき孤高の英雄“アーチャー”の強い信念の追求の果てにある計り知れない絶望と孤独を想うと切なくて心が震えます。
“正義”とは何か…と深く考えさせられる作品です。