僕と君のミドリとドリル
」のレビュー

僕と君のミドリとドリル

イシノアヤ

田舎が舞台の限りなくリアルなファンタジー

ネタバレ
2022年11月18日
このレビューはネタバレを含みます▼ 田舎の実家で暮らす、小さな塾を経営するショウちゃんと文房具と駄菓子を扱うお店をするカイのお話。ジャンルとしてのファンタジーではないのですが、二人の醸し出す空気感がなんともふんわりとファンタジックです。真面目なショウちゃんとかなり自由なカイは既に付き合っていて、中華料理店を営むシゲとサトコの夫婦や医師のイツキら同級生、塾に通う子供達、ショウちゃんのお母さんとそのご主人らに囲まれて送る日々が綴られます。クリスマスやバレンタインも家族や生徒や受験など色んな日常に取り巻かれてなかなかロマンチックにはいかず、ちょっと怒ったり拗ねたりもしてしまいます。二人の関係は同級生にはオープンで、自然に受け入れている友達関係が温かくて良きでした。独特の線で描かれるイシノ作品ならではの優しく穏やかな幸せを堪能できる作品です。
いいねしたユーザ3人
レビューをシェアしよう!