初恋の爪痕
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初恋の爪痕

藤波ちなこ/北沢きょう

壮絶だったわ

ネタバレ
2022年11月19日
このレビューはネタバレを含みます▼ 幼い頃の恋心をお互いに秘め、成長し10年後に再会をする。ヒロインは小さな時から思い続けた相手と気づくが、ヒーローは父母を亡くす原因となったヒロインの母を恨み復讐に燃えているため、また幼いヒロインが髪色を変えていたため、その子とわからないまま愛人として貶める。がんじがらめで一筋縄ではいかないほどの2人の間に立ち憚る高い壁。無理やり愛人として手籠にするという酷く手荒い扱い方をするヒーロー。虫ケラのような扱いにもじっと耐え親の罪は自分の罪、と禊をするかのように尽くすヒロイン。終盤は大どんでん返しが待っています。親の仇のような2人の間柄がどのように変化していくのか。ヒーローのタカビーな物言いがヒロインに対して謝罪する時も気になる。真摯な言い方のようだけどもう少し希っても良いのでは?と思うほどヒロインは虐げられてきたからね。それを全て許すヒロインは聖女のよう。あまりのヒロインの冷遇さに読んでいて気が滅入ってくるけど、どんどん引き込まれる面白さです。140ページほどですが長く感じました。
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