ドS編集長のイケないご指導【単行本版/コミックシーモア限定特典まんが付き】
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ドS編集長のイケないご指導【単行本版/コミックシーモア限定特典まんが付き】

山森ぽてと

実は澄ました顔した編集長のド執着物語かと

ネタバレ
2022年11月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ BLを読み始めた初期にポルノグラファーシリーズの目と文字の両方で迫ってくる官能が大層気に入り、つい小説家ものがあると読んでしまう。大抵は小説家の方がスケベで、豊富な語彙で時には上品な、時には扇状的な言葉で劣情を煽る姿に見惚れるのだけど、今回は編集者の方が迫るの?と、いつもと逆パターンなのに興味を惹かれて手にしました。
本作は若手女性向けの純文学を書いてきた小説家健人目線で、敏腕編集長高倉が自分の担当になって、雑誌の方針が、女性向けな官能的路線に変更した上に経験不足を打ち明けさせられて、それなら試してみますか?とグイグイ迫ってくるという展開。敏腕編集長らしく、鮮やかな手つきでアッという間にエロティックな表情になってしまう健人。2人とも顔がいいから目が喜ぶ喜ぶ^ - ^
一周目は、受目線で読んで眼福〜、それに、小説家だから、実体験が作中の表現に結びついてしまい、こういうウブな小説家が、自分自身で官能的体験をして言葉が芽吹くのも良い!と感じたのです。
が、ちと待てよ。これ攻目線で考えたら、いつからどう計画してここまでスムーズにコトに持ちこんだのか、が気になります。
受になる中堅でカワイイ小説家健人の実はファン…というのは、ほかの編集者と小説家ものでもある話。でも、仕事を受けてもらえなかったからって、他社の敏腕編集長から移ってきて、わざわざ健人の連載雑誌の編集長になって、しかも雑誌の編集方針を、女性向け純愛小説から成人女性向けの官能的小説にチェンジって、普通の男性小説家なら未経験の女性側の感覚や情動を、女性が共感するよう言語化するって難易度高いのでは?もしかすると、健人を落とす為にそこまで作戦を立てて、受け側を経験してもいいかも、と思わせる状況を作って実行した、ということでは…。そして、あの鮮やかな男の身体に触れる手つき。高倉さんに他の男の影はないけど実地体験を重ねて磨いたのか(妄想度max)?自分好みの処女小説家を開発して、自分と交わした体験を、言葉として紡がせることは、きっと文章で興奮できる編集者と小説家にとっては、たまらなく官能的な感覚の共有なんでしょう。が、良く考えると自分の好きな小説家の作風を変えてでも自分のモノにしたかった高倉編集長の執着ぶりって凄い(汗)。番外編で攻目線の作品を読みたい。きっと、もの凄いどスケベ執着ものになることでしょう…(再度妄想度max!!)
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