このレビューはネタバレを含みます▼
シンプルに、夫を死に追いやった人物たちへの復讐劇から展開は変わって、主要な登場人物たちを取り巻く異常な環境と特異性を持つキャラクターが入れ替わり立ち代わり、話は進んでいく。
闇と愛憎ひしめく中でも密と真のある意味清らかな関係や、陽史との狂気の中でもせつなく美しい関係。凛を廻り自立や立ち位置を見直していく人々など細かい絡みの中のそれぞれの喜びと悲しみが痛い。
絵も美しく、ミステリーとしてももちろん楽しく読めるのだけど、人間関係のドラマを広げ過ぎた感もあり。各事件の設定はドラマチックではあるけれど、流れとしては似ていて停滞した空気が流れているという印象。
現在最新刊20巻まで読んだところで、個人的には飽和状態で若干の疲弊感ありなので、新刊が出てもしばらく待つつもり。