顔に泥を塗る
」のレビュー

顔に泥を塗る

ヨシカズ

共依存と自立、尊重と譲れないもの

ネタバレ
2022年11月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ タイトルと表紙に少し興味があり4巻まで読了。
人間の嫌な部分を描いてる作品だと予想してたが好みのジャンルではない。

まず自己肯定感の低いうじうじした女の子は面倒くさくてイライラする。
この主人公の女の子は最初こそ丸め込まれてたが、要所要所で抵抗を見せ自分の好きな物や人生に目を向け、少しずつ共依存から離れようとしてたのでマシだった。

でもやっぱクレンジングオイルを頭からかけられる時点でないわ。
直接的な暴力じゃなかったとしても最大の侮辱行為。
女の子本人もそこはずっと引っかかってたようで、現実に居る一人の女の子としてキャラと読者の共感の乖離が大きくないのは良かった。

その後なんやかんやあって和解してたけど、彼氏が何故そこまでメイクを嫌がるのか、ただ清楚で居てほしいと思ってるだけなのか、しっかり話し合って確認するべきだった。

好きにしていいと歩み寄ってくれようとしてたとはいえ根本がすぐ変わる訳ないのだから、弱さを見せてくれたことに安堵を覚えるだけじゃなく、踏み込まないと。
生理的/本能的に無理ってパターンは絶対あって、相手の気持ちを聞いたところで自分が納得できる答えを返してくれる訳ではないけども。

誰かの影響を受けたり、新しい自分になりたいと思うのは悪いことじゃない。
彼氏にコントロールされてた部分もあるけど、元々好奇心旺盛なタイプっぽいのに自虐して自ら抑え込んでた部分もある。

ぶつかることから逃げてきたツケが回って、ぶつかり方が分かってない節が。
相手のレールに乗っかって楽に進もうとしてたこと、彼氏やイブのことを人間味ある人間として見てなかったことも自覚したのに。

これまでは彼氏の好みや予定に合わせていた、今度は自分の好きな物を受け入れて嫌な顔をしないでほしい。
お互いを認めることと、お互いの想いを押し付け合うことは、表裏一体なのかも。

そして、2人の妥協点が重ならず衝突し別れを選ぶ。
現実でもありふれたことだけど...スッキリしない。
まぁ頭からぶっかけと慰謝料請求は最低な行為で、やっぱりそこら辺が心が離れる大きなきっかけの一つだったのだろう。

それとは別に、主人公がオシャレ好きのイケメンと知り合って明らか影響を受けてるのに無自覚だったところはマイナス。
その反省と、彼氏の過去の原因を描いていたのは評価。
あとはイブと街中で偶然出くわし過ぎ、ご都合感な。
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