ネガのなかにだってポジがある





2022年11月23日
ネガを読むとポジをポジを読むとネガを読みたくなる、はらだ先生成分詰まったネガポジ両作品。特にネガにはらだ先生でしか読めないその作風が存分に感じられてよかったです。ピアスホールの、私のモノローグ中心に語られる小説のような雰囲気が、題材と臼井さんに非常にマッチしていて、痛みから滲むエロスや穴を開ける行為そのものの描写がより際立っていました。私の感情が臼井さんの掌の上な感じがして、底が見えない感じもたまりません。リスタートは本作一、エモさ切なさを感じるお話。俺とジュリの会話で語られるミキとのことがすとんと沁みてくる、ジュリの相槌がまたいいんですよね。ネガも反転すれば、ポジになる。ネガのなかにポジを見つけられるようなお話たち。ラストを飾る女子BLはBL読者としてはむしろポジ。そんなお話もバイプレーヤーな女子主人公からしたらネガでしかない…、最後の見開き、圧倒されました。

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