転生してハイエルフになりましたが、スローライフは120年で飽きました -Highelf with a long life-
成田コウ/らる鳥/しあびす
このレビューはネタバレを含みます▼
悠久の時を生きるハイエルフならではの時間経過の描写で、味わい深い作品だと思います。
ちょっと葬送のフリーレンを思い出しますが、こちらは回想しながらかつての軌跡を旅するんじゃなくて、退屈な森の暮らしに飽きた転生者の主人公が、森を脱出し興味のあるものを楽しみつつ、時には何年もの時間を費やして得たい技術を会得しながら旅をするというお話です。
旅の中で出会う人達にとっては、人生の中で一番意欲に満ち溢れた時期ともいえる若者時代の内の何年もの時を主人公と共にし、かけがえのない親友や師弟関係になっていくのですが、主人公にとっては一期一会的な感覚で、この一般的な人間(ドワーフや普通エルフはわりと主人公に近いですが)と、主人公の時間感覚のズレの対比が味を生んでいると思います。
とても面白いと思いました。
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