獅子と明星【電子単行本】
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獅子と明星【電子単行本】

湯裸

若頭の溺愛と優しさの考察と深読み💗

ネタバレ
2022年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 黒髪若頭α×茶髪弟分Ω
どうしてそこまで若頭αが弟分Ωに執着して溺愛するのか、一読してみて分かりにくかったので整理してみました。
Ωの義母(もしかしたら弟も)を父の刀から庇った過去(顔の切り傷痕)、義母から弟(本当は違った)を託されたこと、父から見捨てられていることへの憐憫(弟分の顔の傷痕は母の男から切られたらしいけど、回想で刃物持つ手が女の人みたい…母か?)、弟を守りたい気持ち、どうしようもなく荒れていた弟分を救ったのは自分だという満足感、自分にだけ懐く可愛さ、αのΩを庇護したい本能、このあたりが絡み合って弟分Ωへの溺愛に繋がっているのかな?

若頭αは慕われ愛されモテモテです。嫉妬によって事件が起きていきます。そのせいで弟分Ωが組から追放されると、自分も一緒に出ていくべく元凶を銃で撃ちます。(ちゃんと急所を外したり、撃った後も笑っていたりと、さすが若頭の風格)そして弟分Ωと一緒に刑務所に入ります。最初から最後まで、弟分Ωに非常に紳士的でした。設定も絵も色っぽいけど、あまりイチャイチャしない。

【深読みするならば】
荒々しいのは弟分Ωだけで、拍子抜けするほど優しい若頭αですが……。自分の為だけに、どこまで凶暴になれるのか、馬鹿になれるのか、従順でいられるのか。若頭じゃなくなっても、一生自分だけを愛し裏切らないでいられるか。静かに観察していたとしたら。
謀略が日常のヤクザ社会で、絶対に信じられるものを手に入れたい欲求があるのでは。若頭αは穏やかに微笑みながら、ギラギラした目で誰が一番自分に狂っているか値踏みしていたとしたら……そして弟分Ωは選ばれた。
そう考えると、ちょっとゾクッとしませんか🖤
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