手を伸ばしたら、つばさ
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手を伸ばしたら、つばさ

山田ノノノ

未来へ大きく羽ばたく翼を手に入れた二人

ネタバレ
2022年11月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 学部3年で離島育ちの森野力良は、人が自力で飛ぶことを最終目標に鳥形ロボットの開発研究をしています。そんな森野の研究室に編入してきたのが何事にも卒なく優秀な里見千尋で、偶然にも森野の向かいのマンションに住んでいます。里見に彼女がいないか調べて欲しいと頼まれた森野は、自室から里見の部屋を覗き、里見の半身に刻まれた刺青と自 慰行為を見てしまうのでした。森野が見ていたことを里見は知っていて、翌日森野は里見に詰問されます。刺青が綺麗だったからと言う森野の目の前で里見は刺青を晒し、その空気に呑まれるように興奮した森野に里見は好きだと告げるのでした。それからも研究面で多岐に渡って森野のサポートをしてくれる里見でしたが、森野は里見との間に言いようの無い壁を感じるようになります。完璧なようで大きな喪失を抱える里見と、色々足りないけれど素直な強さを持つ森野とのバランスでストーリーが進みます。大人たちの都合で刺青を施され、普通じゃないと言われてきた里見が森野に支えられて未来に明るさを見出します。鳥型ロボットの開発が人間の自力飛行にどう結びつくのかと、鳥型ロボットと医療関係とを指導する鬼林先生の専門が何かがとても気になりました。
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