ふくしゅうがとけない
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ふくしゅうがとけない

時羽兼成

共依存3P

ネタバレ
2022年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ ずっと気になっていた作品。ようやくコミックスが発売されたと思ったら上下巻の大ボリュームということもあり、即購入しました。
大前提として3Pに嫌悪感がないことと、あとは激しめのエロが好き、もしくは精神的なSMが好きという方なら大満足な内容なのかな。濡れ場自体はかなり多く、描くのも上手なので。
私自身えろほんはえろほんと割り切って楽しめるタイプなのですが、こちらはえろほんという括りに入れるには微妙に違っている気がするんですよね。
攻め二人と受け一人の3Pものですが、攻め二人は元々二人だけで付き合っていたので正確には攻め一人、リバ一人、受け一人というかんじです。真ん中の桔梗は桜に対しては受けで、カズマに対しては攻め。
物語の始まりは中学時代、桜と桔梗が付き合っていることを聞いたカズマが、嫉妬心から二人がゲイであり付き合っているということをバラしてしまうところから始まります。
自分の行いを悔いたまま歳を重ねたカズマがゲイバーで働いている桜と再会。そこからカズマの罪悪感に付け入るようにして、精神的支配が始まります。
途中までは桜の怖さや気持ち悪さにゾクゾクしながら読んでいたのですが、1巻を読み終えて2巻を少し読んだあたりから「アレ?これ3人である必要とある?」と感じるように。
というのも、真ん中の桔梗が精神的には桜に対して隷属化にあり本人もそれを望んでいるので、もうそこふたりで補えてない……?と思うようになってしまったんですよね。
物語的にはカズマが主人公ですしカズマがいないと「ふくしゅうがとけない」んですけど、カズマと再会しなければ二人で上手くやっていけたんだろうなと感じるのもまた事実で。
それと、桜の背景はもう少し掘り下げて欲しかったな。ああなった原因は家庭環境であり母親でしたが、そこの掘り下げが甘いのでよりヤバいやつな印象に。あとは3人ともまだ若いので、思考が子供というか……今の関係がこのまま永遠に続いていくと思っていそうなふわふわ感があって、胃が痛くなりました。
共依存ハッピーエンドではあるけれど、どちらかというと大人になってからの3人が見てみたかったかな。
それからこれは完全に好みの問題なのですが、個人的には桔梗受けの方が好きなので、桔梗受けもっと見たかったです(笑)
続編があって欲しいような、このままでもいいような。
でもきっと続きがあったら買っちゃうんだろうな。
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