秘密基地に愛人
」のレビュー

秘密基地に愛人

内海ロング

冒頭の吸引力!立ち読みの罠に嵌って下さい

ネタバレ
2022年11月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作者さん買いです。高校教師のマンボウ先生(てっちゃん)×謎の青年・瞬のお話で、表題作のみ全6話+描き下ろしで合計232ページ。ある日、マンボウ先生の元に秘密基地への招待状が届いて…という始まり。表紙の雰囲気もとても良いし、物語の冒頭部分の吸引力がすごいので、立ち読みしたらもう先が気になって購入せざるを得ないです。ちょっと切なかったり胸がジーンとしたり、読後の良さとは別に、色々張られた伏線が一つ一つ回収されるすっきり感もすごいです。最初謎の青年が「愛人にして欲しい」と申し出た時、なんで恋人じゃなくて愛人なんだろうと思ったんですが、なるほどそういうことかぁ〜と納得。ちょっと謎解きみたいな捻られたプロットを、この後どうなるのかな?と考えながら読むのが楽しかったです。二人と光太の心情がとても細かく丁寧に描かれていて、ほんわかしたりジーンとしたり。特に瞬がなんてことないような態度で笑顔で接しているんですが、色々心の中では考えていたんだろうなと思うと胸が痛くなりました。光太の人生を考えると大団円というわけではないですが、それでも光太の思いが伝わったことは喜ばしいし、それをきっかけに先生も瞬も前を向いて新しいスタートを切ることができたのかなと思います。絵も綺麗で、特に秘密基地は陽の光が差し込んでいるような雰囲気がとても良かったです。
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