てるてる×少年
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てるてる×少年

高尾滋

前半と後半の落差に驚き。

2022年11月26日
2001年~2004年の作品。
毎日無料を読むようになり「高尾滋先生」に出会いました。
私が漫画を読む事をお休みしている間に活躍され始めた方で、全く知らなかったのですが、今ではもうほとんどの作品を読ませていただきました。『ミセス・マーメイド』から遡って読んでしまったようで、本作は作家さまの初期作品で、今の美しい作画と比べると少し粗い感じを受けます。タイトルも意図するものが掴みづらいように感じました。
お話は当初、良家の気位の高いお嬢さまの、学園コメディーっぽく始まりますが、実は由緒正しい忍者の旧家に隠された、秘密の隠遁を巡って、真実を明かそうとするもの、守ろうとするもの、古い因習を打ち壊そうとするものなどの思惑が入り混じり、不穏な出来事から対立軸が動き出すといった流れです。それに14歳とは思えない重い過去を背負った主従二人の愛情が絡んでいきます。
11巻というボリュームの中で、登場人物も増えていきますが、誰をとっても無駄な存在ではなく、伏線に絡めて、後々重要になっていくので、巻を重ねる為の作意などがなく、とても練られたストーリーのように感じました。
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