このレビューはネタバレを含みます▼
言わずと知れたダークファンタジー。画力、ストーリー、キャラクター、世界観、セリフ、全てが世界最高と言っても過言じゃない!!
倫理とか道徳とか綺麗事を並べるよりも、本作を読んだ方がよほど心に響くし、色々と考えさせられます。「生とは?死とは?」「運命とは?」「宗教とは?」「神とは?」「正義と悪とは?」……答えはないし、ゴールもない。考え続けること、歩き続けること、安易な答えに飛びつかないこと。それを、ガッツの生き様を通して教えてもらった気がします。
ほんっとに、何度も何度も考えちゃいます。あの時、ああしなかったら?もしくは、こうしていたら?って。グリフィスと姫様の会話をガッツが聞かなかったら?そのことをガッツがグリフィスに話していたら?雪の日、何かひとつでも違っていたら?その後、グリフィスが軽率な行動に出なかったら?姫様がもっと早くグリフィスを助けてくれていたら…とか、ガッツとキャスカの関係が……!とか!!でも結局最後は「ガッツとグリフィスが出会わなければ」というところに行き着いて、そうなったらもう「ああ、これが二人の運命なんだな」と諦めのような境地に。
でも、ガッツは諦めないからかっこいい!!傍観者(読者)の私ですら諦めの境地なのにっ!!ガッツはもがく、もがく。
仲間を失い、最愛の人は正気を失い、しかもその原因が親友という絶望から立ち上がり、また新たな仲間が集っていく道のりが、本当に感動です。
理不尽の連続は見ているだけで辛いし、神のように崇められていくグリフィスには「この野郎!」と言いたいし、グリフィスを祭り上げるやつらには鷹の団の犠牲の上の平和だということをぶちまけてやりたい……!!フィクションだとわかっているけども!!
三浦先生の作画でのラストを見ることは叶わなくなりましたが、続きを見られることが本当に幸せです。この壮大な旅の終わりをぜひ見届けたいです。