オリンピア
」のレビュー

オリンピア

丸木戸マキ

読後しばらくグルグルします(良い意味で)

ネタバレ
2022年11月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ *レビュータイトルの通り、読んだ後しばらく作品の世界観から抜けられなくてグルグルしていました。
たった20数ページの短編にこれだけ引き込まれるとは…恐れ入りました。さすか丸木戸マキ先生!
ラストシーンの受け取り方はそれぞれだと思いますが、私はこの先のストーリーをも読み手それぞれに自由に想像させ得る素晴らしい終わり方だと思いました。
ここからは私の希望的妄想です。
*礼央はセルロイド製の人形に戻ってしまった半朱を決して棄てられないだろう…では傍に置いて語りかけ続けるだろうか?父と同じように??…否。
礼央はきっと、半朱をまた抱く。
だって半朱はそれを望んでいた。自分の本来の役割を果たしたがっていたのだ。
父が半朱に与えた愛は「父親が息子に与える愛」だったけれど(半朱を通して父の愛は少しだけ礼央にも還ってきた…涙)、礼央が半朱に与える愛は「ひとりの男が愛する人に与える愛」。
そしてそれによって半朱はまた人肌の温もりを取り戻すのではないかしら。
そして今度こそ真の人間になれるのではないかしら。
そうだと良いな〜〜〜(*´꒳`*)
はぁ、短編でここまで妄想させてくれる作品滅多にないですよ。秀作!!文句なしの星5つです。
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