潰国のユリウス
」のレビュー

潰国のユリウス

湯水快/山座一心

最初ありきたり、後に面白い

2022年12月2日
冒頭は、帝国の最年少元帥が軍部の残忍さに反乱を起こす。
しかし、形勢は悪化しいよいよという時に部下に船で脱出させられる。
そして、難破し行き着いた先は、遅れた文明と思しき島だった。
と、まぁそんな感じです。
個人的に戦術モノや戦いが多い漫画で平和や優しさを強調され「すぎる」と苦手です。
まぁ大義名分は必要というのはわかるんですが、そうではなくてウケが良いからってのはストンと落ちないんですよね。
なんならちょっと怖い。
その方向性でも良いんですが、もしその方向性で行くなら個人的には軽いと薄く感じちゃうので、動機付けはしっかり描いて欲しいって思いがあります。
納得させるだけの描写はしっかり尺取って欲しい。

そこでこの漫画はどうなんだって当てはめですが、全然説明描かれてないです(笑)。少しだけです。
むしろ女性ウェルカムを隠さないくらい軽い(笑)。
エロい感じではなく、なんだろ、真顔でシティーハンターみたいな感じ。
その反面、戦術ターンはしっかりしてます。
ぶっちゃけ上に書いた冒頭の設定はそんなにウェイトを占めてなかった。
そのため、シミュレーションや戦術モノとして楽しめました。
奇想天外の戦術ではないのも良い、論理の積み立てとでも言いましょうか。
なので軍師というよりやはり軍人ですね。
参謀なら合うと思います。設定として元帥よりも元参謀本部次席くらいが良かったかなと。
長の位はやはりある程度年功序列の部分もあって、帝国というよりは小国の印象を受けちゃいます。
そんな感じで、総じていえば、「若くして元帥まで上り詰めた戦術に明るい青年の異世界転移モノ」として読むならば割と面白いように思います。
多少わきが甘いところがありますけどね。
少ないですがグロいところもありますね。
一言ことわりを入れておきますが、ファンタジーで読む分にはこのジャンルは面白くて好きです。
その分、好みの振り幅があります。
いいねしたユーザ7人
レビューをシェアしよう!