このレビューはネタバレを含みます▼
気まぐれで自由な男・金春×天賦の耳を持つ律生。雨の日の明け方、律生が預かる中古レコード店の前で眠り込んでいた金春を居候させることになった律生。自由すぎて理解できない男だけど、他人のノイズに敏感な律生が不快にならないノイズを持つ金春との暮らしが、少しずつ律生を変えていく。律生の耳の良さが絶対音感とかではなく、人のリズムや気配を音で感じとるものなのが面白い。律生が捨て切れない過去に折り合いをつけて身軽になれたのはよかったけど、もっと音楽的な話になるかと勝手に期待してたので、そこがちょっと物足りなかったです。その分律生に心酔している音楽ライター・有のエピソードがよかったけど、BL的要素はほぼなし。金春が未だヒモに毛が生えたような状態なので、今後の二人の生活はどうなるのかな。個人的には律生の側にいつつ、金春にも自分なりにやりたいことを見つけて欲しい。