おまえでダメならもうダメだ
」のレビュー

おまえでダメならもうダメだ

未散ソノオ

コメディのようで、実はシリアス

ネタバレ
2022年12月4日
このレビューはネタバレを含みます▼ 気になっていた作家さんですが、今作が初読みです。破談したばかりの伊勢島が、10年来の親友八雲に、最後の綱だと結婚を申し込むところから始まります。伊勢島は、結婚を老後のための社会保険と考えていて、最も相応しい相手は、八雲だと思考がたどり着いたのです。伊勢島はかなりの変わり者。そして鈍感力も強者。そんな伊勢島に土下座され、断れなかった八雲は交際を始めますが、男同士の前に、伊勢島が変わり者過ぎて、お付き合いもおかしな事に。読み始め、フォローさんのレビューが飛んでしまったくらい、コメディかと思いました。でも、伊勢島にも、八雲にも、触れられると辛い自分がいて…。と言っても、伊勢島は鈍感力が凄いというか、そうやって強く生きていると言うか。優しい八雲と生き辛い伊勢島ですが、どちらにとっても救済のストーリーです。男と男、とかそういうことではなく、人と人としての相性のようなものが、人にはあるのだろうと思わせられます。破れ鍋に綴じ蓋というのかな。優しい八雲も素敵ですが、空気を読まない事にしている伊勢島が好きです。
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