半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される
」のレビュー

半魔の竜騎士は、辺境伯に執着される

矢城慧兎/央川みはら

概ね満足

ネタバレ
2022年12月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 1巻に続いて2巻も壮大な話で読んでいて大変面白かった。最後の黄金竜に乗ってカイルが帰郷するシーンなどはとても格好良くて胸が踊りました。それから決闘の流れなど、余すことない素晴らしい演出だったと思います。
個人的に残念でならないのは、3巻が完全に番外編的内容だった事。
もっと壮大な話が続き、5巻くらいは出てくれても良かったのに、かなりアッサリ完結してしまって本当に残念です。
だからか時間の経過もとても早く、爵位を返上するまでの2年があっという間に過ぎてしまいました。
3巻は本当に蛇足的な話で、これが完結とは悲しすぎる……。
それに、2巻でプレゼントすると言ってくれていた黄金竜の子供の事はどうなったんでしょうか??作者も忘れてしまったのか?
黄金竜に乗るカイルを楽しみにしていたのに。
3巻でまさかのキース×ユアンが読めたのは狂喜乱舞しましたが、カイルとアルフレートの話が完全な小話だった上に伝承的な話として締めくくられてしまった事が、もう本当に悲しい。(個人的にいくらたとえ話のようにしても「みんなもう居ないんだな…」と分かる締めくくりが悲しくて好きではないので…)
これもカイルとアルフレートの結婚式の話だったらまだ不満は無かったかもしれないけれども、テオドールかい…っていう…。(テオドールが嫌いな訳ではないです)
いやー、もっともっと掘り下げて壮大な世界観の話に出来たと思うんですけどもねぇ…。
作者は伏線を散りばめて上手く回収していく能力に長けているので、読んでいてかなり面白かっただけに、本当に続刊して欲しかった……。
もうあと数巻続いて擦りに擦った結果、3巻のおとぎ話的締めくくりだったら、超名作となったのに。
読み終えた今は悔しいという気持ちしか浮かばない……。
あと、3巻が一番誤字脱字が多かったです。編集さんは仕事してください。
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