このレビューはネタバレを含みます▼
作家さま買い。
ご本人様があとがきで「地味だ」とおっしゃっていますが、すんなり読めるのに空気感が優しくて温かくて構成や文章が上手い方だなと思います。
ややありがちな記憶喪失ものですが、イケメンクールなスパダリ風の仁科も実は心に傷を抱えていて…その展開や描写がさすが!でした。
学生時代から賞を取るほど優秀な仁科×ごく一般的な学生で温かい家庭で育った一葉。
仁科への劣等感やノンケが同性と付き合うことの抵抗感や、仁科の不器用さなどが原因で別れてしまった2人の7年越しの再会愛。
かわいいわんこも交えた2人と1匹の何気ない日々にほっこり。
仁科が一葉を好きになった時の印象的の表現が「帰る家」のお母さんとの幸せな雪だるまの思い出に関っていて…読んでいて堪らない気持ちになりました。
お互いが唯一の相手、の素敵なお話でした。