このレビューはネタバレを含みます▼
これは・・・結構重たい内容ではありますが、それだけに何回も読みたくなってしまう作品・・でした。
女性ものの靴がとても印象的で、華やかに描かれた表紙でありながら、設定は非常に陰湿で猟奇的な兄:遼一と、兄に洗脳され、囚われた弟:洋二の・・哀しい物語であったりもします。
こういうお話しって・・・私はどうしても視点が犯罪者でもある兄:遼一のほうに向いてしまうんですよね・・。何故そういう風になってしまったのか?とか。どうあっても変わりようがない性質だったのか?とか。
「そういう風に生まれてきた」と言われればそれまでで、確かに先天性なところもあるのかも知れないんですが、でも環境も多少なりとも影響していると思うんですよね・・・性質を更に増長させる「何か」があったればこそ・・・と。
いやいや、これBLのレビューじゃなくなってますけど(^^;
もちろんラブもあります!最終的には洋二を遼一の洗脳から解き放ってあげる遼一の元同級生:敦也とラブな形になるのですが、それだけに繋がりもとても深いものになっています・・・ほんと、生死をかける壮絶な・・ね。
2人には「明るい未来」がきっと待っているのでしょうね・・でも・・・遼一の精神的な部分が気にかかって仕方がない・・・彼はずっと救われないままなのでしょうか・・・最後に心に残ったのは、そのことでした。