このレビューはネタバレを含みます▼
ちょっと不思議なタイトルは、根が優しい3人の織りなす三角関係を表します。大学に入学した佐久間は同学年の藤井と知り合い仲良くなります。ゲームの趣味など気の合う二人は殆どの時間を一緒に過ごすようになり、地元の彼女と自然消滅しかけている佐久間と、ちらっと付き合ったことがある程度の藤井とで恋バナしたりもします。そんな藤井が近所の酒屋でバイトするようになってから様子が変わります。そしてバイト先の酒屋の息子•加地さんと付き合っていると聞かされた佐久間は咄嗟に「俺たちはなんも変わらない」と言い切ります。理解が追いつかないけれど藤井とつるめなくなるのは嫌だと思った佐久間の言葉に、藤井はありがとうと涙します。良かったと号泣する加地さんはお人好しのいい人なのでした。やがて佐久間は地元の彼女ときちんと別れ、改めて藤井と加地さんとの関係に向き合ううちに、藤井の幸せを喜ぶよりも加地さんに嫉妬する自分に気が付きます。大らかな加地さん、ピュアなコミュ障の藤井、優しさからの気配りができる佐久間は、それぞれが一生懸命に相手のことを想って行動します。誰も悪くないけれど、みんな少しずつ傷つくやさしい三角関係は、甘酸っぱくてほろ苦いです。男子はおすしが好きだなぁとしみじみ思うお話でもありました。