このレビューはネタバレを含みます▼
100万年ぶり位に漫画にどハマりしました…。広告から興味半分で読んでみたら、超絶面白くて、無限ループで何周読んでるんだ状態に陥っています。
絵がめちゃくちゃ上手い!話の運びが面白い!主人公のセト様が素敵すぎる!
とにかくセト様の魅力が半端なく、群がる執着者の山にもしっかり納得させられます。最初悪漢として登場しますが、短気で短慮かと思いきや分析鋭く賢いキャラで、話が進んでいくとかつては遊び心があり愛情深い、立派な神だったことがわかります。
そこから、第一部は信頼していた兄に尊厳を踏み躙られたために、有害な男性性を発揮してもがく姿だったのか!と理解できます。加害者でもあり被害者である複雑性が効いていて、酷い展開にもセト様がただサディスティックにいたぶられているばかりではないため、耐えられる仕様です。
第二部は裸一貫で贖罪のため葛藤するセト様が如何に自分を取り戻すかの物語になっていて、そこにfair gameになったセト様を捕食しようとする者が跋扈し、正直最高です。
元凶オシリスも、イカれた奴の分際で自分がいかに全てを投げ打ってセト様を選んだか、ちょいちょい当てつけがましい口振に腹が立ちますが、生命の神で植物を愛するオシリスが、セト様を繋ぎとめるために何千年もかけて緑を摘み取り広大な砂漠を生み出したかと思うと、その破滅的な執着に胸熱です。
緑の怨霊からセト様を必死で守ってくれるホルスが、like father like sonにならないか、ヒヤヒヤしながら見守るのも楽しいです。(生真面目な猫かぶり&セト様に執着がヤバい感じが若干似てる)恋の相手として息子ホルスがセト様に選ばれたら、コケにされた妻イシスにも救いがあるかな…。(オシリスなりにイシスにも愛情がある感じなのも深いです)
陽気&油断ならない異国の神は、戦の神アレスか全知全能の神ゼウスか、ギリシアのなんの神だか明かされていませんが、私的に海の神ポセイドンだと予想してます!ナイル川の神イシスが頼る先にあるのは、海では!?
何度読んでも新しい発見と納得があり、めちゃくちゃ面白い作品です。