このレビューはネタバレを含みます▼
イヤイヤもーもー、色々と足りなかった。
父親が急逝した後、主人公ミズキは叔父一家に全てを奪われ奴隷扱いされている。不満を募らせつつも全て諦めて、自分は死ぬまで蹂躙され尽くすんだろうなーと、無気力に絶望している。
まず、そんな無気力なコドモが勇者として選ばれ召喚されるのに違和感。
『ファンタジーが書きたい。そうだ、異世界に召喚されることにしよう、そうしよう』… それ以外の意味が見い出せなかった。
召喚したのは、王国最強の誉れ高きエリート集団=王宮魔導士のチーム。だが連戦連敗で、苦し紛れに勇者召喚に打って出た。
最強なのに連戦連敗。え?誰か裏切ってる?誰なんだ複数か?と疑心暗鬼になるほど負け続けている。でも実際には裏切りはなくて、ノラ魔道士(←王宮魔導士になれなかった実力不足のハンパ者)ただ1名の仕掛けだったとされる。そんなんアリか⁈
召喚されたミズキは俄然やる気を出して、モフモフ毛玉のタマちゃんを懐に1人、旅に出る。無気力から脱したのは良いよ?でも1人で行く必要なくない?通貨も常識も何も分からん異世界人だよ?しかも子ども。
そんなの目立ちまくりだよね?
そのタマちゃん、実は呪いで変身させられた王子で、それを解呪できる人を訪ねて行くワケだけど、王子自身を連れていく必要は全くなかったってオチだし。
ホント意味不明。
そして案の定、ミズキ達は姿かたちまで瞬殺でバレて追手部隊に襲われる。そりゃ隠密行動には向いてないしバレて当然。そもそもオトリでしょ?‥ってえ?バレるの予想してなかった?敵方の動き探ってなかったの?アホのエリート達?
最初から援軍の用意くらいしとくやろ。経路に潜ませとくとかも良いよね。でも援軍は要請されて始めて結成されるし結成から派遣に又1日かかってる。既に敵方は傭兵軍を雇って転送かけて来てんのに、それに気付かなかった王宮側ってどーなん?ミズキとタマちゃん、見殺しかよ。
その後、王城では、忌わしいケモノが大量に生み出され続け大混乱となるが、それは前王妃の魔導だったと判る。だが前王妃に魔導の素養はなく、元々単なる田舎の貴族令嬢であって努力嫌いで修行した筈はないから、王妃になって増長して天分が開花したんだろうだろうって…はぁ? 調子こいたら天分が開花って!
とにかく全ての登場人物が浅いし違和感だらけ。
ツッコミどころ満載。後悔しかない。