パワーアップした構成・展開に引き込まれる





2022年12月14日
『天馬の貴公子の永遠の花嫁』スピンオフです。前作で親子でやっちまった感があった思雨でしたが、あの時のことは父親主導のフライングだと分かり、今回、色眼鏡で見ずに済みました。先生の書かれるキャラは、ギャップが魅力的だなと思います。軽薄でチャラそうな優飛が、実直で子供に好かれる(良くも悪くも子供は正直)人柄もよく部下にも尊敬される人物だとか、箱入りで主体性がなくたおやかで従順なイメージの思雨は、思いの外頑固で意地っ張りだとか、特に思雨がいなくなった時の優飛父の乙女チックな寂しがり方が可愛くてキュンときました。ストーリーの主軸となる二人の恋と陰謀の数々が、前作以上に凝っていて作り込まれているのが分かりましたし、どちらも読み応えがありました。天馬に翼が生える条件?にも工夫があって楽しめました。欲を言えば、青流だけでなく志遠にも登場して欲しかったなぁと思います。勝手に子供ができていて…みたいなアフターストーリーを期待していたので。先生の中にはまだまだ構想があるようなので、ぜひともシリーズ化してほしい作品です。ささいな事かもしれませんが、スピンオフには挿絵がありませんので、気になる方はお気をつけて。

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