糸を噛む~死を待つ王女に捧げる仕立て屋の深愛~
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糸を噛む~死を待つ王女に捧げる仕立て屋の深愛~

浅見/鈴ノ助

異色のヒーロー

ネタバレ
2022年12月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 仕立て屋としての腕一本で、その地位を築いてきた職人ヒーローという設定にまず興味がわきました。服飾で栄えた国家ならではの儀式や慣例の上に成り立つ物語です。その慣例にのっとってヒロインとヒーローが交流し、育まれていくそれぞれの想いが描かれていきます。最初に仕立てを依頼したときから、王女としてではなく自分自身に似合う衣装を仕立ててくれるヒーローに密かに想いを寄せるヒロイン。政変で処刑されることになったヒロインの命を、ただヒーローだけが諦めず何とか救えないかともがくのですが、権力や武力を持たない仕立て屋のヒーローが、いかにしてヒロインを救い出すのか。手に汗握る展開に、思わず引き込まれて一気読みしてしまいました。
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