みずのいろ。
」のレビュー

みずのいろ。

槇えびし

他に類を見ない位あまりにも不憫なキャラ

ネタバレ
2022年12月25日
このレビューはネタバレを含みます▼ 殺し屋の世都と記憶の無い少年•礼夏は天国と呼ばれる無法地帯で一緒に暮らしています。礼夏が不安になるぐらい知り合いにも非情な世都は、でも礼夏だけは必ず守ると言い切ります。2年前、恐怖のあまり全てを忘れてしまった礼夏に、世都はちょっと困ったような泣きそうな笑顔で「大丈夫」と言ってくれて今の生活があるのでした。美しい顔立ちに全身傷だらけの謎めいた世都の過去を知るらしいロマネという男が現れてお話が動き始めます。やがて全てを思い出し、世都と引き離された礼夏は成長しながらも世都のことを思い出しては苦しみます。愛する人から傷つけられて赤い色の見えなくなる世都、愛してくれる人を傷つけてしまい赤い色しか見えなくなる世都、今日だけで昨日も明日も無い世都、そんな世都を救おうと、どこまでも喰えない男•ロマネと、少年もののヒーローみたいに真っ直ぐな礼夏とが手を伸べます。エロの無いハードボイルドでかなり重いですが、一読してからのニ読目でまた楽しめるしっかりした作りの作品です。
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