青春はいつだって輝いてみえる

母校の教師になった男と高校時代に先生とイケナイ恋をしていた男の青春プレイバック物語。
偶然の再会から高森と神藤はひょんな付き合いをする関係に。青春時代のキラキラに囚われた2人が、少しずつ過去と向き合い、現在を知り、思い出を昇華させようとする姿には今を生きているという強い実感が込められているように感じました。青春時代はどんなに時間が経っても輝いてみえるし、キレイなままで残しておきたい。でも、だからこそキラキラした思い出として昇華させて乗り越えていきたい。だけど、思い出として忘れるのは恐い。誰しもが抱えるそんな矛盾にものすごく共感しました。
お話としては、高森と神藤のやり取りが夫婦漫才のようでとても面白かったです。特に高森の態度が高校時代と今でまるで違っていて、憧れとリアルの対比が上手いなと思いました。時が経ち、憧れだった神藤はフリーターで、スクールカースト底辺だった高森が教師として立派にやっている。形勢逆転した立場があり、そこに彼のプライドがあるからこそ、言いたいことも言えるようになったのかなと感じました。そんな性格の悪い高森を気に入る神藤、お互いを知ることの大切さが伝わりました。
素で言いたいことを言い合える、そしてそんな性格も理解してもらえる、素敵な相手に出会えた2人のいいお話です。