五色の舟
」のレビュー

五色の舟

近藤ようこ/津原泰水

不思議な話

ネタバレ
2022年12月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 見世物小屋が舞台の小説を探していたらこの本に巡り会いました。元々は見世物小屋特有の暗めの話を求めていたので読み始めは「あ、思ってた感じと違う」と思っていたのですが、絵のタッチが凄く綺麗で惹き込まれました。場面がよく切り替わるのに内容がこんがらがる事なく読み進められます。話の構成がとても上手いな〜と思いながら読んでました(笑)。
件に舟の行き先を聞かれた時の返答で、本当に皆が皆想いあっていていたんだな、本当にお互いを家族の様に思っていたんだなと実感して心がギュッと締め付けられたような気分になりました。
最後、和ちゃんと桜ちゃんは皆が幸せな世界に行けたはずなのに、どことなく物悲しい雰囲気を醸し出していてハッピーエンドというよりはビターエンドの様な終わり方で、読んだ後の喪失感がすごかったです。
この本が気になっている人は絶対に読んだ方がいいと思える様な一冊でした。
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