ネタバレ・感想あり五色の舟のレビュー

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不思議な話
ネタバレ
2022年12月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ 見世物小屋が舞台の小説を探していたらこの本に巡り会いました。元々は見世物小屋特有の暗めの話を求めていたので読み始めは「あ、思ってた感じと違う」と思っていたのですが、絵のタッチが凄く綺麗で惹き込まれました。場面がよく切り替わるのに内容がこんがらがる事なく読み進められます。話の構成がとても上手いな〜と思いながら読んでました(笑)。
件に舟の行き先を聞かれた時の返答で、本当に皆が皆想いあっていていたんだな、本当にお互いを家族の様に思っていたんだなと実感して心がギュッと締め付けられたような気分になりました。
最後、和ちゃんと桜ちゃんは皆が幸せな世界に行けたはずなのに、どことなく物悲しい雰囲気を醸し出していてハッピーエンドというよりはビターエンドの様な終わり方で、読んだ後の喪失感がすごかったです。
この本が気になっている人は絶対に読んだ方がいいと思える様な一冊でした。
これはなんという物語なんだろう
2021年9月4日
第二次大戦中の見せ物となった自称家族のお話。決してリアルに描いていないのに、時代の暗さも未来の影も感じさせ、背筋がぞっとするようなところがいくつもあり、絵ととてもマッチしています。何度も読み直したくなる作品です。
原爆ドームが原爆ドームにならなかった世界
2021年8月26日
太平洋戦争末期、見世物小屋の一家が広島から岩国まで未来を予言すると言われる「件(くだん)」を買いに行く話。

いやこれ…すっごかった……。
絵が昭和な雰囲気だけど、それが物語にぴったりマッチしてる。

主人公は心の声が聴こえる少年。
戦争、見世物小屋、フリークス…決して過剰な描写があるわけではないけれど…ひえ~~、何度もザワッと鳥肌がたちました。

そしてまさかの…禁断の愛!!
たった2コマのシーンだけど、主腐なんでその2コマだけで5話195ページくらいの物語を想像してしまいました。この二人の物語が読みたい。

ラストはなかなか深いです。
一見ハッピーエンドにも見えるけど、じわっと最後に空虚さを感じる作品。でもとても美しい。

怖くて、痛々しくて、面白かった。
形容しがたい魅力にあふれた作品。
まさかの歴史ファンタジー
2019年11月8日
原作者のネタも面白いし、絵も良くマッチしています。件のデザインも面白いし買ってよかった。しみじみ何回も読んで楽しめます。原作も是非読んでみたいと思いました。
和風ファンタジー
ネタバレ
2021年3月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 所謂ファンタジーっぽくはないのでとっつきやすいです。
最後の原爆が落ちなかった世界よりも、あの五色の舟の方を懐かしく思うのに何とも言えない気持ちになります。
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たくましい
2023年3月2日
シーモア島で以前紹介されていて、なんとなく印象に残っていてこのタイミングで読みたくなって購入。なんだろう、非常に不憫な境遇にある人々ばかりなのに、すごくたくましくて強くて、自分たちがみじめなものとして周りから見られていることを認識しながら、でも自分は自分のことを惨めだなんて思っていなくて、悲惨な世界だと言いながらその悲惨な世界での生活に愛着?愛情?を感じている。奇妙で不思議で暗さと希望といろいろ混ざったみたいな話だった。あと、本作は小説が原作ということで小説の方もちょっと読んでみたのだけれど、この文章からこの映像が浮かぶ近藤先生すごいなーと思った。
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