このレビューはネタバレを含みます▼
ご飯ものの漫画ってあまり読まない方なのですが、こちらは表紙の雰囲気と絵の綺麗さが気になってつい読んでみました。表紙は上手いのに中身違う…ってよくありますが、変わらずとてもお上手な絵でした。
作画もお話の構成も丁寧で読みやすく、自然にストーリーが入ってきます。キャラが表情豊かだし、食べるシーンもとても美味しそうに見えます。
料理家のおじさまと担当編集者の若者の関係も進展はゆっくりですが、丁寧に作り上げられていってます。
社会人になってから知り合う同性と仲良くなるのって、学生時代と比べて時間がかかるし、こういう風に会う機会を重ねるごとに少しずつ打ち解けていくなあって確かに思いました。特に年齢差があれば尚更。
BLあるあるの「いきなり好き!」っていうイミフな恋愛脳展開がムリ派なので、こういう自然な感情変化を描いている作品は、自分にとって貴重です。
おじさまはゲイ設定ですが、若者はそうではないので余計に急な恋愛展開ではない、友人としての信頼構築の時間が自然だと感じました。
昨今はボーイズラブではなくボーイズライフなモダモダ長編も見かけますが、今作品は丁寧ではあるけれど話のテンポが良くて飽きることなく読めます。
年の差やキャリアの差、同性同士等という条件に、恐らく現実で起きても葛藤するであろう自然な感情が、それぞれに描かれているので、思わず応援したくなりました。キャラクターもストーリーも魅力的な作品です。
ただ1巻目ではくっつかず続巻があるので、そちらも機会をみて読んでみたいと思います。