逆行した悪役令嬢は、なぜか魔力を失ったので深窓の令嬢になります
さかもとびん/蒼伊/RAHWIA
このレビューはネタバレを含みます▼
明日3巻発売なので、買うか買わざるべきか判断しようと改めて1、2巻を読みかえした。
殿下が義務でラシェルの見舞いに行くと、病上がり後の彼女の態度が変化していた。それまで殿下に執着していたのにラシェルは婚約破棄まで望んだ。
彼女の魔力が枯れたり、突然の急激な人格変化や、逃げる者を追いたくなる本能的なものもあるのか、殿下にとって言わば軽蔑対象から興味の対象へと昇格した。
そして、彼女を頻繁に見舞うようになり、殿下はラシェルに『君以上に魅力的な女性はいない』だの、『大事な婚約者』だの、その当時ではまだ心にもなかったであろう言葉を放ち彼女の反応を楽しんでいる様子。興味程度の相手にそんな調子いい事言っちゃうのかい?うーん。。
彼は幼い頃に戦後50年も蓋をされ続けているスラム街を訪れ、そこで人々の苦しみや痛みを目の当たりにしている。当時10歳の彼には相当な衝撃だったはずだ。『俺の身はこの国に捧げよう』と誓うほどに。
そんな他人の痛みに向き合えるような人物が、興味がわいたからと彼女に甘言を吐き反応をみて弄ぶかのような人格を併せ持てるだろうか?二重人格かな?それとも話しの序盤で既に無意識化で恋心を抱いていたのかな?謎。
そして2巻で彼はラシェルに初恋を自覚する。軽蔑対象や興味の対象から、いつのまにかすごい昇格しているけれど、それは好きになっちゃうよね、というインパクトや共感ポイントが私にはあまり感じられなかった。
国のために役立つと踏んでいた魔力が枯れてしまったラシェル。言わば婚約者が彼女であるメリットは現状無いといえる。国のために婚約者の再考を視野に入れてもおかしくない状況下だろうと思うのだが、殿下は国の未来より彼の恋心という我を通そうとしているようにしか見えてこない。
国のために生きると誓った彼の矛盾点であり、葛藤する点なのかな、、?
他にもまだまだあるがこの辺で。
ちらりと登場した聖女や、小豆や大豆に過剰反応する料理人サミュエルがいい仕事しそうだな、とか面白くなりそうな反面、2巻の終わり方で、ありがちなやつかもとも思えてしまい、、。
ラシェルと同じくらい殿下に魅力を感じられたら3巻迷わず購入したと思うが、少し様子見しようと思う。
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