王弟殿下は転生者を溺愛する【SS付】【イラスト付】【電子限定著者直筆サイン&コメント入り】
火崎勇/すがはら竜
このレビューはネタバレを含みます▼
典型的な腐女子の、所謂オタクの理屈をこねくり回した主人公だなって思いました。
さばさばしてて、はっきり物を言えて、理解力もあって分別もある。
まるで典型的な腐女子の理想像。
生き急いでるような真面目さも垣間見え、人を傷つける言動や思考をする時は、きっちり言い訳(線引き)してから、ばっさり切る。
現代の腐女子やオタクが好きそうな思考です。
正に現代の好ましいだろうなという人物像と、
適度に理解力あるという器の広いところを見せ、腐女子受けする感じの受け。
やや狙い過ぎな感もします。
あとなんだろう。主人公の嫌いだと公言するタイプ=主人公そのままの裏の姿じゃない?と私は感じましたね。同族嫌悪じゃん。
言動が一致してない。過度なほど嫌いだとはっきり物を言う癖に、行動がそれを裏切ってますよね‥‥。
仕事を手を抜いたり、馴染もうとする形だけ装って馴染む気さらさらなかったり。
理解力ある体で言い訳ばかりで、言い訳で線引きして、主人公が自覚していない部分=貴方(主人公)が嫌いなとこだよと。
主人公の都合の良い言い訳で、何度もくどくど線引きされまくると恋愛に発展する前に萎えてくる。
しかも「好き嫌い分かれる性格だから」という言い訳を何度も重ねて線引きするのは、
主人公のずるい部分だけでなく、好き嫌い分かれそうな主人公だからだろうなと作者の思惑も透けて見えて、読んでる途中でげんなりしてしまいました。
「好き嫌い分かれる性格」「自分の価値観はこうだから」を免罪符に、分別も理解力もある体でしっかり線引きして前置きに言い訳しつつ。
攻撃性のある事を自己都合の言い訳で正当化しているのは「やれるはずなのに、やらない人間」とどこが違うのか教えて欲しい‥‥。そのアンバランスさに別のコンプレックスが見え隠れしていて。
あまりに主人公の言動が一致しないので、読んでてモヤモヤしました。
おそらくわざとそういうアンバランスな主人公にして、起承転結と物語のバランスを作りあげて主人公達の成長を魅せさせるようにしているのでしょう。
作品は上手く纏まって、面白いと思います。
多分、腐女子はハマる。そんな腐女子ウケのよい主人公達です。
でも都合良すぎというか、理想過ぎというか、綺麗過ぎというか。
主人公のキャラが狙い過ぎていて、綺麗にまとめよう感がちょっと過剰。
色んなものが透けて見える作品でした。
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