寄生獣
」のレビュー

寄生獣

岩明均

一気に読みたい

2012年8月6日
ラストの数話は人によって不満が残るかも知れないけれど、一読の価値ある作品だと思います。似たようなテーマやプロットの作品はありますが、惹き付ける力が違う印象です。

シーモアさんの商品画面は劇画的でややグロですが、実際はそうでもない。と思う。刷り方なのか画風なのか、リアルな人間に近い絵ですが臓物や切断面、パカッは気味悪く見えませんでした。

16や17才でいきなり降りかかった災難と離別を乗り越える姿が、分かりやすくかつ感情移入しやすく描かれています。あんな事があったから彼女にも秘密にし続けたんだろうな、とか、そりゃ感情を殺さなきゃ遣りきれないだろうな、とか。読み始めると続きが気になって、一気に読みたいタイプの作品です。

精神論を押し付けず、広げた風呂敷で包んだ重箱の隅を全てつつかず、あくまでも主人公の進一(とミギー)視点で描き上げ、読者に解釈を委ねた閉じ方も好ましい。環境問題やら人としての生きざまやら人間の種的ナルシシズムを『考えたく』なる、なかなかの出来栄えと思います。

個人的にミギーと老婆が好きです🖤
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