このレビューはネタバレを含みます▼
32歳の行人が海の家のバイトにやって来ます。海の家を営む水原家には高校生の碧海と中学生の海音の兄弟がおり、兄の碧海はせっかくの海を前にして引きこもり生活をしているのでした。海大好きで天性の陽キャな行人はなんとかして碧海を海に連れ出そうとするのですが、碧海は海に大きなトラウマがあるのでした。みんなにおっさんと呼ばれる行人の、良くも悪くも大雑把で明るいキャラがいかにも夏っぽいです。『碧海のおっさん』は碧海視点でのお話。トラウマ持ちのDKの初恋は色々と繊細なのです。『海音のはなし』おっさんと碧海の出逢いから3年後、弟の海音も17歳になり進路に悩む時期になります。おっさんにはかなり厳しい態度の海音でしたが、海音はおっさんと兄との恋を理想的に捉えています。ある日、海音は隣のクラスのキリシマがサッカー部の顧問を夢中で見つめているのに気が付きます。その一途さにキリシマの恋を応援しようとする海音でしたが、キリシマから「こういうのは普通気持ち悪いって言われて当然」と聞かされて憤懣やる方なく思うのでした。おっさんと碧海が二人の良き相談相手となります。『〜その2』ではさらにその3年後の海音とキリシマの姿が描かれます。