紅いラプンツェル
」のレビュー

紅いラプンツェル

佐伯かよの

面白い!読み応えあり!超オススメ!

2023年1月4日
4作品入ってますが、すごく面白いです。明るく終わるのは表題作だけです。初期の萩尾望都や高階良子が好きな人には超オススメかも。瞳が紅いので「紅いラプンツェル」なわけですが、日本とフィンランドで言語はどうなってるのかとか、そんなことはお構い無しにテンポよく話が進みます。主人公の男の子、良い子です。ツアコンやってる伯母さんがまた気丈で面白い!2話目「もしも…」は怖い。眉村卓の「ねらわれた学園」のような話。古い漫画なので、眉村卓がパクったのかと思うくらい似ててびっくり。3話目「地球最後の男の話」はSF。300年後の地球まで生きられるよう、20世紀に無理矢理凍結された男。かなり古い作品なのに、すでにウィルスで人類が滅亡、という言葉があって、コロナが蔓延している現代、佐伯さんは予言者か?と思うような世界。ラスト「迷路」は、なぜどうしてそうなった?異次元に突然行ってしまうヒロインの話。佐伯さんの作品は、「物語のその後」「なぜそうなったか」が描かれることがないので、すごく気になるのと共に、そういうのは読者に委ねる!と決めてるポリシーが感じられて、この作風に慣れてくるとワクワク出来ます。とにかくオススメの一冊です。
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