悪食
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悪食

宮緒葵/みずかねりょう

SALEは今日まで!一気買いオススメ

ネタバレ
2023年1月5日
このレビューはネタバレを含みます▼ 宮緒葵先生の作品で、ずっと気になっていたんですが、3巻まで出ているので躊躇していたんです。まとめてSALEということで一気読みしました。めちゃくちゃ面白かったです。
先生の作品は、良い意味で気持ち悪い攻めと寒気がするような怖さが特徴的ですが、本作はいつもより爽快感がある分怖さは控えめかなと思います。攻めはいつも通り束縛系の重たい男ではありますが、受けがヤバいくらいの天然無自覚タラシなのでそっちの方が心配でした笑。が、独特の世界観と作風はさすがとしか言いようがありません。

物語は、見えざるもの(死者)が見え、そのものの想いを描く才能をもつ水琴と、そんな水琴に惚れまくりパトロンになる泉里が事件に巻き込まれ解決しながら、人間としても恋人としても成長していくというもの。二人だけでなく、周りの人の生き様や死者の想いが胸を打ち、大きな感動をよぶんですよ!1巻は泉里絡みと、今後近しい間柄になる人物の事件で、二人が恋人になるまでが、2巻は否応なく巻き込まれた事件2つで、泉里が暴走しだします。3巻は水琴の親友の事件、そして初めての泉里との仲違いです。3巻はちょっとオカルトじみていて異質。今までと明らかに違いますが、水琴が大きく成長する巻でもあります。 

私は2巻が1番好きでした。死者の想いが水琴によって明かされた時、「その人」を想う気持ちの優しさ、あたたかさ、切なさに、泣いたというもんじゃないです。号泣ですよ!悲しいのに温かい。霊は怖い存在じゃなくて、死ぬ前も死んだ後もただただその人を守ろうと、伝えようと、救おうとしているのが美しくて、切なくて、言葉にできません。伝わるはずがなかった死者の想いを届けてくれる水琴の尊さを感じ、水琴の親衛隊や信奉者が増えるのも納得しました笑。

BLでなくとも充分面白い作品だと思います。気になるところはあったとしても、ストーリーの素晴らしさに魅せられること間違いなしです。ひとまず完結したように思うのですが、画家としてスタートした水琴と激重彼氏泉里のその後、そして死者の想いあふれる感動ストーリーをぜひお願いします。ずっと追い続けていきたい作品です!
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