このレビューはネタバレを含みます▼
作者買い。「ニュクスの角灯」ファンです。
こちらも最高でした。エロ雑誌の編集長とライター二人が取材へ赴き、各所で女性とお近づきになるという戦前の風俗道中かと思いきや…微笑ましい純愛に舵を切り、アカ・エロ・宗教が取り締まられる期を経て大戦に突入。胸を打つドラマが屋台骨にありながらもたっぷりとこの “時代” の空気を感じられます。そこが堪らなく好き。
最後は後世の人間がオチを語るという締めくくりで、”最初は戦前のエロ業界に咲いた鬼才の話かと思った“ と言っていたのには笑いました。自分もすっかり騙されてた。
皆が皆ハッピーエンドとはいかない現実的な結末は、残された者が幸せを模索して今に繋いだのが想像され胸アツです。
高浜先生が実在の御身内をモデルにされたという後書きも興味深かったです。発禁書「性の扉」読んでみたい。