ニアリーイコール
」のレビュー

ニアリーイコール

凪良ゆう/二宮悦巳

少しだけ、にている

ネタバレ
2023年1月6日
このレビューはネタバレを含みます▼ 何がなのかなって思いつつ読みました。心に傷を持つ仁居。国立も。そう。誰もが心に傷を持っていると思いますが、仁居の場合はそれがダブルバインドなところが辛いです。正解があるようでない、人との関わり。ケースバイケースなのだとわかっていても。だから、仁居は一枚見えない壁を作ってひっそりと生きる。川面を眺めて何も手に入れない。それが国立と触れ合う事で、少しずつ変化していきます。千夏も、国立と仁居と関わる事で、一歩踏み出せるのかもしれません。誰もが今よりちょっとだけ、うまくいく明日を望んでます。そして、それは可能なのだと信じる事。それができるようになれば…。高校生の時の自分はバカだったと言えるようになった仁居に、これからは大丈夫だなって思いました。母が千夏に言った一言。言ってはならなかった言葉なのですが、母の立ち位置を考えたら、自然と出てしまう言葉なのです。だから、言葉って難しいです。そんなつもりはなくとも、ダメージを与える言葉でしたから。母もかわいそうですね。凪良先生の作品は心の機微が細やかに描かれていて、登場する人たちの幸せを願わずにいられません。二宮先生のイラストがとてもよくあってました。
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