このレビューはネタバレを含みます▼
長尾壱成は幼馴染で一つ年上の泉千紘と同じ大学に進学します。小学生の時から何でもできる千紘に面倒をみてもらいながら後を追いかけてきた壱成は、高1の時に千紘が男の同級生とキスするところを見て、自分が千紘の特別では無かったことにショックを受けてそれからは距離を置いてきたのでした。マンションが隣なこともあって再び千紘と行き来しだした壱成は、改めて千紘の特別になろうと行動を開始します。一見怖そうな壱成は千紘ほどでは無いけれど頭も良くて結構何でもできるのですが、幼い時から千紘しか目に入らないところが残念で可愛げがあります。小学生の頃のトラウマから誰とも付き合えなかった千紘には、昔から側で可愛がってきた壱成の前ではより完璧でいたいという思いがあり、なかなか踏み出せません。能力の高さから周囲の期待に過剰に応えてしまう年上の千紘と、周囲を顧みずに我が道を行く弟の立ち位置の壱成との想いが、かたんことんと上がり下がりしながら進んでゆくちょっともどかしい恋のお話です。