このレビューはネタバレを含みます▼
ブラック企業で働くSE汐見律は少女漫画の世界に逃避する毎日を送っています｡ある日､好きな漫画原作の映画を観に行き､偶然隣に座った大河内絢之と意気投合します｡25歳の律より5つ歳下の絢之はイケメンな学生で､既に漫画の配信会社を立ち上げています｡絢之と会う度にその隙の無いスパダリっぷりに律は驚くのですが､絢之は家業を継ぐ為に配信会社を反対されていること､見合い話に困っていること､なぜなら敏感体質ゆえに女性が苦手だからと告白するのでした｡古の少女漫画を下敷きにしたストーリーと絵柄が楽しいラブコメは､完璧なスパダリなのに敏感体質で未だにDTという絢之の為に地味系男子の律がヒロインよろしく頑張ります｡『きみのこころ ここに在らず』美大の学生寮の槙野紫陽花の部屋に洋画専攻の重田蓮が入居してきます｡グラフィック専攻の紫陽花は既に色んなコンペで受賞歴があり､相手の利用価値を測る世渡り上手タイプです｡天真爛漫に絵を描く蓮を利用価値無しと紫陽花は判断したのですが､蓮が大きな公募展の入選常連と聞いて何かに利用できないかと考えるのでした｡描きたい心が溢れ出る蓮と､安定した地位を得ることに拘る紫陽花とが心を通わせるようになるまでのお話です｡
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