黄金なるもの、天より堕ち
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黄金なるもの、天より堕ち

伊藤クロエ/乃一ミクロ

とても面白かった

ネタバレ
2023年1月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 古代ローマ風の世界観。栄華と怠惰を極めた大国に周辺諸国から人質が集められていて、受けも人質の一人。小国の王子と侮られながらも三年が過ぎたある日、剣闘士奴隷として戦う自国の将軍を見つける。攻めは記憶喪失だといい、自分を買った受けに奴隷として奉仕し始める。受けの幼い頃からの片思いが健気で可愛かった。物陰からそっと鍛錬の様子を覗いたりするだけの儚い片思いが健気。そして攻めが何らかの密命を帯びていることや、入れ替わっていく衛兵に何かが起ころうとしていることを察しても攻めを信じて何も問い質さず協力する受けの強さが良かった。革命前夜のような不穏な空気感もハラハラして好き。二人がこんなに近くで親密に過ごせるのは今だけどお互いに理解し合っているのも切ない。二人とも真面目だから身分やそれぞれの役割を弁えているのが焦れったいけど好き。攻めが受けの勇敢さや強さを尊敬していて忠誠心を持ち合わせている主従関係も好き。あと猫ちゃんが可愛い。
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