ダイヤのA act2
」のレビュー

ダイヤのA act2

寺嶋裕二

高校野球といえば

ネタバレ
2023年1月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 高校野球漫画の金字塔を打ち立てたと言っていい作品。

主人公が2年生になってから始まる本作は、前作で描かれていた「先輩たちに着いていけば大丈夫」という殻を破らせ、「俺がこのチームを背負う」というプレッシャーを自らに課すような成長を遂げさせた。

これは当然、高校野球だけでなく学校で部活動を行なっていればどれにでも当てはまることであるが、強豪校の中心選手になるという重圧を描いているのも本作の魅力の一つだろう。

また、投球フォームやバッティングフォームのときの表情が豊か。
これは古い作品では見られなかったが、少し顔が不細工になるくらいの描写をしている点に、この作品のリアルさの追求が垣間見える。

さらに本作は、他の野球漫画にありがちな「会話するほどの猶予がある150km/h」を、ちゃんと豪速球として描写する。
強打者や豪速球、キレのある変化球など、“高校野球の範疇を超えない範囲で”当たり前に脅威であることを当たり前に表現してある。つまり「超能力」の描写がないのだ。死んだ兄弟が乗り移ったり、意図して三塁線上に打球を止めたり、ボールが消えたりしない。
この当たり前が本作品を野球漫画としての完成度を高めていると言っても良いだろう。
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