真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!(コミック)
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真実の愛を見つけたと言われて婚約破棄されたので、復縁を迫られても今さらもう遅いです!(コミック)

橘皆無/彩戸ゆめ

真実の愛は盲いては見つからない

ネタバレ
2023年1月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ 王太子妃として完璧な淑女であることを求められ続け、それに応えるべく努力をし続けた主人公・マリアベル。彼女はその重責をしっかりと受け止め、聡明ながら差し出がましいこともしない穏やかな春の陽射しのような女性になった。
王子は決して馬鹿ではない。けれども、国王夫妻には遅くに授かった御子で甘やかされて育ち、執務をこなす能はあっても王太子としての立場と責務に対して胡乱で、未知を真実と取り違えるような愚鈍だ。
彼が婚約破棄をしてまで望み、見出した真実の愛で得たのは、まぶしく輝く…平民の娘。
夏の太陽に目がくらみ、幼い頃に自ら手にした花を邪心なく手折り踏みつける様は見ていて滑稽だ。望まれるままに庶民感覚のまま王太子の婚約者になった娘ともども、傀儡にはうってつけだろう。
踏みつけられ傷心のまま領地に戻ったマリアベルは、新たに運命の愛をたずさえた利発で誠意ある隣国の王子との出逢いを果たす。
ふたたび王太子妃として、けれど今度は自ら選んで新たな道へと踏みだした彼女の前に様々な困難が…元婚約者が暗愚なせいで…振りかかってくるのは火を見るより明らかですでにきな臭い。
一方的に完璧を求められることなく、互いに寄り添って愛を育もうとするふたりの運命の愛がすてきな結末を迎えられるよう祈りながら続きを楽しみにしている。

真実の愛の方も、ただの槍玉ではなく苦労を重ねながらホンモノになってくれたらと願いつつ。
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