ゴールデン・デイズ
」のレビュー

ゴールデン・デイズ

高尾滋

タイトル通りの眩い日々

2023年1月16日
作品紹介を見て読み始めた当初は、タイムスリップした過去での不思議な体験談かなぁ程度に考えていたけど、途中から慶光の意図が何なのか解らないのにどんどんストーリーに引き込まれていった感覚。
顔がそっくりでも物腰の柔らかで内に秘めた想いを感じさせる慶光、逆に仁の台詞じゃないけど隠し事が出来ないストレートというか素直すぎる光也、その性格が違う2人が守りたい人達が仁達。
それぞれがとても強く相手の幸せを願い、守り、支え合う姿や想いの全てが眩しくて。
途中で同じように平成からタイムスリップしてしまった慶の、歴史を変えていいのかという台詞で、大正時代ということはその後に関東大震災や太平洋戦争が控えているという現実を思い出し、ただ眩しいだけでは済まないからこそ、どうして慶光は光也を遣わせたのかを考えながら読んで、それまで以上にストーリーの重厚さを感じて読み応えが増した気がする。
そもそも何故光也が同時代でもピンポイントであの日にタイムスリップしたのか、最後まで読んで初めて全てがキレイに繋がると納得した。
当初は毎日無料で読んでいたけど、重厚感を感じてからはもどかしくて一気に購入したが、毎日無料でちまちま読んでいたら見落とす部分もあるかもと思えた良作です。
そして当初、少女マンガのカテゴリーだから軽い気持ちで読み始めたものの、登場人物の年齢設定が若いだけで、大人でも充分読み応えを感じられる作品だと思う。
唯一、もう少しだけ仁には長生きしてほしかったかな。
いいねしたユーザ2人
レビューをシェアしよう!