錆のゆめ
」のレビュー

錆のゆめ

久間よよよ

愛おしさが湧いて出てくるタイプの作品

ネタバレ
2023年1月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ 積本より、初作家さん。
性処理ロボットとして改造させられた元人間の子が表紙で主人公。上下巻、続編の左右ともに購入済みのまま長らく読まずにいたのですが、、早く読んどきゃ良かった!と後悔するほどには、はぁ〜…良かったです♡うん、凄く良かったなぁ。

胸糞悪い暗い話かと思いきや、いやまぁ…あるんですが、体感でいくとそれは2割程度です。
後は、試作品である元人間サイボーグ(便宜上、以降T)と彼の世話役になった進藤との、不思議な温かい交流がメイン。
進藤の淡々として他人に興味がない反面、何だかサラッと優しいところ。
Tの一生懸命でスレてなく可愛らしいところ。
サイボーグにされてしまった背景や、その描写などは胸糞だったりするのですが、2人のやり取りにホッコリさせられます。2人の優しさが沁みます。
Tの笑顔を見て、読み手がダメージを受けるほど辛い境遇なんですが、進藤と出逢うことで救われます。
進藤にしても、Tの為…もあるが、結局はTを大切にしたい自分を通したいっていう自分ありきの行動が、とても好感が持てます。

上下巻で、そんなドロドロに揉めずTはお役御免となり、進藤の元で一緒に過ごせることになりました。
続編の左右ですがッ!
読み進める順番は指定されてないので、各々の好みといったところ…。
私個人としては、初見は上下左右で読み進めるのが宜しいかと思います♡
基本的には、2人の穏やかで幸せな生活が描かれてあります。その中で左は、世間様の冷たい風に多少晒される現実味が描かれてあり、塩っぱさがあります。
また、人間だった頃の記憶を確かめに行く塩っぽさもあって胸が痛む描写があり。進藤と暮らす為に、前を向く為に、結果的に大切な記憶を封印する形になるのが悲しい巻です。
その左を経ての右!右ですよ…。
2人の幸せっぷりに浸って下さいね。

とは言え、結局上下巻に戻りますし、必ず読み返すことになります!なので順番は、瑣末なことかもしれません。
進藤とT、2人は愛し合ってますし、毎日ちうする仲です。エチは全巻通してありませんが、かなり糖度が高いため重要ではないです。
今後も2人で一緒に暮らすなかで、
人間でなくなったTの記憶や寿命
進藤のエチへと進まない背景などが絡む続編があるのかがとても気になりますが、これで終わってもいいかなぁとも思えます。
お安く購入できる機会に、ぜひ手に取って頂きたいです。
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