このレビューはネタバレを含みます▼
初読み作家さんです。表題作全4話+スピンオフ前後編+短編1話+描き下ろしで合計198ページ。表題作は、新宿二丁目ゲイバーの常連客・御門さん×バー店員の吉野。常連客だけの特別裏メニューがあるバーで、常連客の御門さんの手によってキスNG&挿入NGの吉野が段々と開発されていくお話です。後半若干の波乱はあるものの、基本的にお話の軸になっているのは御門さん×吉野の本番解禁までの道のりなので、やっぱりエチ重視感は否めないかなと。そもそも怖くてずっと挿入NGにしていた吉野が、会う時間もバーにいる時だけなのに、どうしてそこまで御門さんが好きになったのか?エッチが丁寧で優しかったから?めげずにアピールを続けてくれたから?身体先行の部分もありますが、もう少し何か御門さんを好きになるエピソードがあれば「好き」に深みが出たのかなぁと。絵はとても綺麗で丁寧です。シャンデリアを下から煽ったアングルの描き込みは感動するくらいでした。ただ作者さんもあとがきで書かれていますが、吉野の顔がどんどん幼くなっていくのは気になったかも。本編内でもコマによっては別人に見えるところがあったり、逆に他の登場人物とももう少し描き分けされていれば尚良かったかなと思います。スピンオフは、バーの警護担当・真知屋×先輩店員の佐倉さん。据え膳は仕方なかったけど、心も繋がるまでもう少し控えてくれた方が個人的には好みだったと思います。短編は弁護士×検事の不器用な大人同士のお話。短編ですが、まとまっていて読みやすかったです。